AI開発で欠かせないのはどのように計算させるかです。あまりにも多くの計算を短時間で実行しなければならないので、その計算能力によって性能が左右されるだけではなく、そのAIの存在自体をも問われます。
コンピュータは計算が得意と言われていますが、その計算の中にも得意不得意があります。例えば桁数がある一定の値よりも大きい数値、乗除算を何度も繰り返す計算、極めて小さい数値等です。なぜこのようなことが起こるかというとコンピュータの中で実際に行われている演算とは論理演算だからです。
論理演算には小数点もなければ桁上がりもありません。計算方法だけ見れば算盤以下です。随分昔ですが算盤の上級者になるとπの算出を暗算でできると聞いたことがあります。論理演算とは電気で計算させるための原始的な方法なのです。
ではなぜコンピュータは計算では人を凌駕できるのか。それは単純な論理演算を一瞬の間に膨大な回数を実行できるからです。2進数の論理演算を組み合わせて10進数の四則演算や難しい関数演算を行える複雑なハードウェアとソフトウェアでコンピュータはできています。
最もコンピュータに向いているのは論理演算なのでそれを基本に計算装置を作ることができれば製造費も電気代も安価な高性能AIができるはずです。